寒い日が続き、日差しが出ている時間も短い「冬」。
疲れやすく乾燥もしやすく、関節痛に冷え性など、女性にとってなかなかつらい季節ですよね。皆さんはどのように過ごしていますか?
東洋医学では、無理にほかの季節と同じように振舞うとかえって不調になりやすいといわれています。
この記事では、冬の寒さを乗り越えるための女性におすすめな冬の養生(過ごし方)を解説します。筆者は臨床心理士・公認心理師であり、漢方養生指導士の資格も取得しました。みなさまの心と体が軽やかになるような情報をお届けしますね。
養生ってなに?
突然「養生」といわれて、何のことだろうと思った方もきっと多いでしょう。
養生とは、「生命を養う」こと。「健康に気をつけて、自分を大切にしながら日々を過ごす」という意味です。
東洋医学の考え方なので、聞きなじみがない方も多いと思います。今回は「心と体のための冬の過ごし方」を教えてもらっていると思いながら、読み進めてみてくださいね。
冬は春のためにエネルギーを蓄える季節
東洋医学の考え方では、冬はエネルギーを蓄える季節といわれています。
ほかの季節と比べてエネルギーが少ないため、春にまた元気に過ごせるように気力や体力を溜めておくことが大切です。
ただし動物の冬眠と異なり、人間の場合は全く動かないというわけではありません。冬と自分の状態に適した過ごし方が大切になります。
冬は血行が悪くなりやすく、生命活動の維持や発育・成長に必要な「腎(じん)」の働きが悪くなる可能性が高くなる季節。東洋医学の「腎」は腎臓のことだけではなく、膀胱や耳、生命維持に重要な「生殖」の働きをになっています。
「腎」の働きが悪くなると、若々しさが少なくなり、耳鳴りや足腰のだるさ、髪や肌のトラブルが発生しやすくなる…困りますよね。
そこでおすすめなのが、冬と自分の体調に合わせた「冬の過ごし方(養生)」です。
女性におすすめ!健康・美容のためになる冬の過ごし方3選
冬は乾燥や寒さの影響で、肌や髪のトラブルが起きやすい季節。また、膀胱や血管への影響もあり、活動力が衰えやすくなるといわれています。
女性にとって保湿が欠かせなくなる時期でもありますよね。そこで東洋医学や心理学の視点から、女性におすすめの冬の過ごし方(養生)を3つ紹介します。
冬の養生①体の冷えを外側と内側から防ぐ
冬の不調は寒さの影響が大きく、「温活」などで体を温めることが大切になります。
手袋やマフラーで「三首」を温め、カイロやヒートテックも上手に使いこなしましょう。そして内側からの寒さ対策も大切です。
東洋医学によると、冬の不調は「寒邪(かんじゃ)」の影響からきているといわれています。寒邪が侵入すると身体のあちこちに冷えを感じ、下痢などの症状も生じやすくなるのです。
寒邪は「黒の食材」で対策できると考えられています。たとえば、黒豆や黒糖、わかめ、ひじき、昆布、黒ごまなどがおすすめ。生ものや冷たいものは避けて、黒の食材やスープ、根菜や温野菜などをよく噛んで食べましょう。
冬の養生②無理なダイエットよりも「睡眠」を大事に
冬の方が痩せやすいといわれていますが、ある程度規則正しい生活をしていないと調子を崩してしまいます。
冬は食べすぎ飲みすぎに気を付けつつ、体力と気力を蓄えて体を労わることを大事にしてみてください。日が落ちる時間が早く、朝も暗い時間が長い冬は睡眠をしっかりとってあげることが重要です。
ただし、睡眠の質を高めるためには「適度な運動」は大切になります。無理なダイエットや過度な運動は避けましょう。
冬におすすめの運動
- 防寒対策をして散歩やウォーキング
- ストレッチ
- ヨガやピラティス
- 踏み台(階段)昇降
これらは血流促進が期待でき、基礎代謝が上がって太りにくい体質も目指せます。また、日中に運動することで、睡眠の質も高まりやすくなりますよ。
冬の養生③食べ物で潤いを補おう
冬は秋から引き続き乾燥しやすい季節。
スキンケアはもちろん大事ですが、内側から潤いを手に入れることも忘れないでくださいね。
たとえば、魚介や白菜、里芋、梨、リンゴなどがおすすめです。冬によく見かける「みかん」は、美肌や風邪予防の効果が期待できますよ。
野菜や魚介たちは、先ほど紹介した「黒の食材」と、体を温めるショウガや豚肉などと一緒に鍋にするなど、積極的に食べていきましょう。
冬は自分をいつもより労わろう
一年中、同じコンディションやテンションで過ごせる人は滅多にいません。
季節や気温、自分の状態・状況を観察しながら、自分を労わって過ごすことは心地よく過ごすためにも大切なこと。冬に頑張りすぎると、せっかくの温かい季節である春に不調をきたす可能性が高くなります。
冬は自分をいつもより労わってあげて、春に備えてエネルギーをいっぱい蓄えて、今よりもっと自分純度を高めていきましょう!