6月の季節の和菓子「水無月」の由来は?食べるだけで半年の厄落としができる!

もう6月も後半!1年の半分が終わりますね。あなたにとってどんな半年間でしたか?

よかった点・悪かった点など、いろいろと出てくると思いますが、後半の半年を良いものにするために、季節の和菓子「水無月(みなづき)」を食べて厄落としをしてみませんか?

季節の行事と和菓子に関する豆知識シリーズ、今回は「夏越の祓(なごしのはらえ)と水無月」を解説していきたいと思います!

あわせて、前回の記事もぜひご覧ください^^

緑茶と水無月
目次

1年の前半の厄を落とす、夏越の祓

そもそも「夏越の祓」(なごしのはらえ)って何?と思っている方が大半ではないでしょうか。あまり身近な行事ではないかもしれませんね。私も社会人になってから、詳しく知った行事の1つです。

「夏越の祓」とは、半年の間に身についた穢れ(けがれ)を清める神事で、年に2度、6月と12月の晦日(みそか)に神社で行なわれる大祓(おおはらえ)のことです。

大祓とは、古くからの伝統的な考えに基づくもので、心身の穢れや厄災の原因となる罪や過ちを祓い清めるもの。つまり、1年の前半の厄を落として、後半を無事健康で過ごせるようにと、半年ごとに厄落としをして健康を祈る行事です。

ちなみに、6月に行われるのを「夏越の祓」、12月は「年越の祓」と呼ばれています。

手軽でオススメの厄落としは「水無月」を食べること

水無月

「夏越の祓」で、一番手軽でオススメな厄落としの方法は、水無月(みなずき)という和菓子を食べること。

水無月とは、外郎生地に小豆をのせた和菓子で、京都を中心に夏越の祓に合わせて食べられています。
(※外郎とは上新粉などの米粉に砂糖と水を加え練り、型に入れて蒸したもの)

最近では、東京をはじめとする関東の和菓子屋さんでもよく見かけるようになりました。三角の形が特徴的な和菓子ですよね。

実は、三角の形でできた和菓子は「氷」をモチーフに作られているんです。

水無月の由来は、当時の人々の工夫

では、なぜ6月の季節の和菓子なのに水無月は「氷」がモチーフなのでしょうか?

理由は、日本の歴史と習慣にあります。

その昔、幕府や宮中では旧暦の6月1日に「氷の節句」という行事が行われていました。「氷の節句」は冬に氷室(ひむろ)という、昔の冷凍庫に保存しておいた氷を食べて、夏バテや夏の暑気払いをして、健康に過ごせるように祈るというもの。

当時、氷は身分の高い人しか食べられませんでした。しかし庶民も「氷の節句」にあやかろうと考え作り出したのが、外郎生地の上に厄除けとして使われていた小豆を乗せ、氷のように三角に切り出した水無月という和菓子。

今では貴族の氷を食べる習慣はほぼなくなり、庶民に根付いた水無月が残っているのが、なんともおもしろいですよね!

「貴族のように少しでも氷を食べて夏を無事に健康で過ごしたい!」「氷は手に入らないけど貴族の真似をしたい!」当時の人々の思いと工夫からできたのが水無月なのです。

水無月を食べる以外に夏越の祓で厄落としをする方法

水無月を食べる以外にも、夏越の祓で厄落としをする方法があります。2つ解説するので、ぜひ実践してみてくださいね!

① 茅の輪くぐり

茅の輪(ちのわ)くぐりの画像

茅の輪(ちのわ)くぐりとは、参道の鳥居などの結界内に、茅(ちがや)という草で編んだ直径数メートルの輪を作り、これをくぐることで心身を清めて災厄を祓い、無病息災を祈願するというもの。

茅の輪くぐりのくぐり方は、唱え詞を唱えながら、8の字に3度くぐり抜けるのが一般的。初めてでも神社でやり方が書かれた案内がある場合が多いので、参考にしながら行ってみてください。

ただ、一つ注意する点があるので、こちらは覚えておきましょう!
茅の輪くぐりの記念にと、くぐった茅の輪の茅を持ち帰ることは厳禁です!それは、人々の厄や災いを集めている物を持ち帰るということになるからです。茅の輪くぐりをしたらそのままお詣りして終了で大丈夫。

② 人形(ひとがた)

人形(人形)の画像

人形(ひとがた)を経験したことある方は、少ないと思います。

人形とは、人の形をした白紙のことです。マンガやドラマなどで見たことがある方もいるかもしれませんね。多くの方の印象に残っているのは『千と千尋の神隠し』だと思います。

この人形をどう使うのかというと、自分の名前や年齢などを書き、それで体を撫でて人形に穢れや罪を移し、身代わりとして水などに流し、清め厄を流します。

6月は「水無月」を食べて、自然に自分純度アップ

今回は、あまり知られていない日本の季節の行事と、和菓子「水無月」の由来をご紹介しました。

「夏越の祓」も「水無月」も厄を落とし、これから本番を迎える夏を無事に過ごしたいと思う、人々の願いが込められたものだったのです。

季節ごとにお店に並べられているたくさんの和菓子。実は、ひとつひとつに、歴史や意味があるものが多いのです。季節の移り変わりを大切にしてきた日本だからこそ発展し、今も残る和菓子は、思っているよりも私たちの生活に密着した食べ物。今後も、魅力的な和菓子の豆知識記事を連載していきますので、お楽しみに!

これからもラフリーで、和菓子や日本の行事を知って、自分純度を上げるきっかけを作ってみてくださいね♪

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

在宅ママデザイナー&ライター。1歳半の息子と旦那と3人暮らし。育児・仕事・家事・趣味の両立を目指し日々奮闘中。お出かけ情報や日本の文化を調べるのが好き!

目次