春と秋にあるお彼岸。この時期に街中でよく「おはぎ」を見かけますね。
なんとなくお彼岸=おはぎのイメージが強いですが、実はおはぎはお彼岸だけの和菓子ではないのです。
今回は季節で呼び名が変わる不思議な魅力を持っているおはぎと、季節感についてお話したいと思います。
この記事を読んだ後には、おはぎや季節感のあるものに興味が湧いて自分純度を自然とあげることができるはず♪♪
おはぎが春と秋に食べられる理由とは
おはぎがよく食べられるのが「お彼岸」。お彼岸の時期はスーパーや和菓子店にたくさんのおはぎを売ってるのを見かけますね。
そもそもお彼岸って何をする期間なのか知っていますか??
お彼岸ってなに?
この「お彼岸」を簡単に説明しますね。
お彼岸は3月と9月にある行事です。3月は春のお彼岸、9月は秋のお彼岸と言われています。
お彼岸の時期は、それぞれ春分の日と秋分の日を中日(その期間の真ん中の日)とした前後3日間の7日間を指します。3月は春のお彼岸、9月は秋のお彼岸と言われています。
主にお彼岸でやることは先祖供養(お墓参り)や仏壇仏具の掃除などです。
お彼岸と似た行事で夏のお盆がありますね。お盆とお彼岸の違いはこちら!
・お盆:帰ってくる先祖の霊を家で迎えおもてなしをする期間
・お彼岸:彼岸(あの世のこと)と此岸(生きてる人がいる世界)の境界が近くなる時期でこちらから近くに行って先祖の霊にお参りする期間
という違いがあります。
生きている私たちから先祖に会いに行くのが彼岸の時期!と覚えておくと良いと思います。
なぜおはぎがお供物なの?
お彼岸のお供物=おはぎ。そんなイメージがついているおはぎ。
なぜお彼岸のお供物におはぎが選ばれているのでしょうか?
過去の記事でも何回か話題にしていますが、小豆には邪気を払う力があると言われてきました。
小豆の赤色は火を連想させ、昔から「赤や朱の色」には火と同じ力があり、悪いものから守ってくれると信じられていました。
邪気を払う小豆と、昔は高価で貴重だった砂糖を使用したおはぎをご先祖さまにお供えすることで、日々の感謝とこれからの願いや子孫繁栄を願ったのがはじまりといわれています(諸説あり)。
その伝統的な行いが今も続いているんです。
普段はお墓参りなどから縁遠い人でもお彼岸の時期になると「あ!おはぎの季節だ!」と思ってしまう日本人の食の伝統文化は面白いですよね。
おはぎは季節ごとに呼び名が違うって本当??
一般的には「おはぎ」といわれている餅米をあんこで包んだ和菓子は、季節によって呼び名が違う不思議な食べ物って知っていますか?
代表的なのが、春は「ぼたもち」、秋は「おはぎ」ですよね。
呼び名の理由も諸説あります。ここでは一例をあげておきますね。
・春は牡丹の花が咲く頃に食べるから。牡丹の花のように大きく作るから。
・秋は萩の花が咲く頃に食べるから。萩の花のように小ぶりに作るから。
などといわれています。
どちらも彼岸の時期に咲く代表的な季節の花にちなんで呼ばれています。
では、春と秋があるなら夏や冬の呼び名もあるのでは?と思いませんでしたか?
そう、あるんです!!
夏は「夜船(よふね)」冬は「北窓(きたまど)」と呼ばれていました。
なぜこのように呼ばれているのでしょう(こちらも諸説あり)。
・夏の「夜船」:お餅のようにもち米を搗()かないで作れる「おはぎ」。「おはぎ」を作るのに音がしない!隣の家の人もいつ”ついた”のかわからない。それを暗い夜にいつ着いたかわからない夜船にかけて「搗き知らず」→「着き知らず」の言葉遊びから「夜船」といわれるようになったとか!
・冬の「北窓」:冬の北窓からは月を見ることができない。「搗き知らず」→「月知らず」の言葉遊びから「北窓」といわれるようになったとか!
どちらも言葉遊びからきていますが、今は殆ど呼ばれませんね。季節の花をモチーフにした「ぼた餅」「おはぎ」のネーミングの方がなんだかしっくりきます。
まとめ
いかがでしたか、季節によって名前が変わる不思議な和菓子「おはぎ」を、是非このお彼岸の時期に食べてみてください。
最近はおはぎ専門店やフルーツと組み合わせたおはぎなど、見た目も華やかなおはぎがたくさん登場しています。
そして、なんといってもおはぎを含め和菓子は低カロリー!!腹持ちも良いので甘いものをついつい食べすぎてしまう人にもおすすめです。
最近は和菓子離れという言葉もありますが、和菓子は季節を感じるのに一番手軽な食べ物なんです。
普段季節感ない生活してるな〜。何か新しい刺激が欲しい!と思ったら和菓子を一度取り入れてみてください。
今まで気づきにくかった季節の移り変わりを身近に感じることができ、自然と自分純度を高められるはずですよ♪