食べるだけで、半年の厄落としができる!?季節の和菓子「水無月」に込められた思いとは

もう6月も後半!1年の半分が終わりますね。あなたにとってどんな半年間でしたか?

よかった点・悪かった点色々でてくると思いますが、後半の半年を良いものにするために、季節の和菓子「水無月(みなづき)」を食べて厄落としをしてみませんか?

季節の行事と和菓子に関する豆知識シリーズ、今回は「夏越の祓(なごしのはらえ)と水無月」を解説していきたいと思います!前回の記事はこちら^ ^

緑茶と水無月

1年前半の厄を落とす夏越の祓

そもそも「夏越の祓」(なごしのはらえ)って何?と思っている方が大半ではないでしょうか。あまり身近な行事ではないかもしれませんね。私も社会人になってから、詳しく知った行事の1つです。

「夏越の祓」とは、半年の間に身についた穢れ(けがれ)を清める神事で、年に2度、6月と12月の晦日に神社で行なわれる大祓(おおはらえ)のことです。

大祓とは、古くからの伝統的な考えに基づくもので、心身の穢れや厄災の原因となる罪や過ちを祓い清めるもの。つまり、1年の前半の厄を落として、後半を無事健康で過ごせるようにと、半年ごとに厄落としをして健康を祈る行事です。

ちなみに、6月に行われるのを「夏越の祓」、12月は「年越の祓」と呼ばれています。

夏越の祓はどうやって厄を落とすの?

では、実際に夏越の祓ではどんなことをして厄を落とすと思いますか?代表的な厄落とし方法は3つあります。

① 茅の輪くぐり

茅の輪(ちのわ)くぐりの画像

茅の輪(ちのわ)くぐりとは、参道の鳥居などの結界内に、茅(ちがや)という草で編んだ直径数メートルの輪を作り、これをくぐることで心身を清めて災厄を祓い、無病息災を祈願するというもの。

茅の輪くぐりのくぐり方は、唱え詞を唱えながら、8の字に3度くぐり抜けるのが一般的。初めてでも神社でやり方が書かれた案内がある場合が多いので、参考にしながら行ってみてください。

ただ、一つ注意する点があるので、こちらは覚えておきましょう!
茅の輪くぐりの記念にと、くぐった茅の輪の茅を持ち帰ることは厳禁です!それは、人々の厄や災いを集めている物を持ち帰るということになるからです。茅の輪くぐりをしたらそのままお詣りして終了で大丈夫。

② 人形(ひとがた)

人形(人形)の画像

人形(ひとがた)を経験したことある方は、少ないと思います。

人形とは、人の形をした白紙のことです。マンガやドラマなどで見たことがある方もいるかもしれませんね。多くの方の印象に残っているのは「千と千尋の神隠し」だと思います。

この人形をどう使うのかというと、自分の名前や年齢などを書き、それで体を撫でて人形に穢れや罪を移し、身代わりとして水などに流し、清め厄を流します。

③ 手軽でオススメ♪、水無月を食べる

水無月

一番手軽でオススメな方法を紹介します♪水無月(みなずき)という和菓子を知っていますか?

水無月とは、外郎生地に小豆をのせた和菓子で、京都を中心に夏越の祓に合わせ食べられています。
(※外郎とは上新粉などの米粉に砂糖と水を加え練り、型に入れて蒸したもの)

最近では関東の和菓子屋さんでもよく見かけるようになりました。
三角の形が特徴的な和菓子です。この三角の形にも意味があります。実はこの和菓子は「氷」をモチーフに作られているんです。

当時の人々の工夫で出来た水無月

では、なぜ6月の季節の和菓子なのに水無月は「氷」がモチーフなのかわかりますか?

その理由は日本の習慣と関係があります。その昔、幕府や宮中では旧暦の6月1日に「氷の節句」という行事が行われていました。「氷の節句」は冬に氷室(ひむろ)という、昔の冷凍庫に保存しておいた氷を食べて、夏バテや夏の暑気を払いをして、健康に過ごせるように祈るというもの。

当時、氷は身分の高い人しか食べれません。しかし庶民も「氷の節句」にあやかろうと考え、作り出したのが外郎生地の上に厄除けとして使われていた小豆を乗せ、氷のように三角に切り出した水無月という和菓子。

今では貴族の氷を食べる習慣はほぼなくなり、庶民に根付いた水無月が残っているのが、面白いと思いませんか!

貴族のように少しでも氷を食べて夏を無事に健康で過ごしたい!氷は手に入らないけど貴族の真似をしたい!その人々の思いと工夫からできたのが水無月なんです。

季節に合った和菓子を食べて、自然に自分純度アップ

いかがでしたか?あまり知らない日本の季節の行事と和菓子の関係を知る事ができたのではないでしょうか?

「夏越の祓」も「水無月」も厄を落とし、これから本番を迎える夏を無事に過ごしたいと、願う人々の願いが込められた物だったんです

季節ごとにお店に並べられているたくさんの和菓子。その1つ1つは実は歴史や意味があるものが多いんです。季節の移り変わりを大切にしてきた日本だからこそ、発展し今も残る和菓子は、思っているよりも私たちの生活に密着した食べ物なんです。そんな魅力的な和菓子の豆知識記事を、これからも連載していきますのでお楽しみに!

まだまだ紹介したい和菓子はたくさんあります。これからもラフリーで、今まで知らなかった和菓子や日本の行事を知って、自分純度を上げるきっかけを作ってみてくださいね♪

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この記事を書いた人

在宅ママデザイナー&ライター。1歳半の息子と旦那と3人暮らし。育児・仕事・家事・趣味の両立を目指し日々奮闘中。お出かけ情報や日本の文化を調べるのが好き!